色彩の知識

〇色の3要素と12色環

色の3要素とは、色相(色味・色合い)、彩度(鮮やかさ)、明度(明るさ)の事です。

 

〇色相と彩度

赤、橙、黄、緑、青、紫の純色(最も彩度が高い色相)を配列し、その下段に同じ色相のまま、彩度を落とした場合の色を配列します。

どんどん彩度を落としていくと、最後は全てグレーになります。

同じグレーの様で、微妙に明るさが違う事が判ります。

 

〇明度

明度は黒から白まで16段階のグレーがあり、黒と白を合わせると18段階あります。3原色の明度は、それぞれ異なり、青が暗く、黄が明るいという事になります。

〇3原色と混合

3原色は赤、黄、青ですが、この3色をベースとして、様々な色相が生まれていきます。3原色から派生していく基本的な色相を12色示します。

ちなみに、油絵具は、厳密に、この通りにはなりません。近似色を使うしかありません。

 

〇12環色と補色の関係

3原色

3原色を基にした、12色を円形に配列していくと、12色環が出来ます。この12色を基にして、更に24色へと色数は派生していきます。

補色

この12色環の相対する色同士は補色の関係にあります。補色の事を反対色と言いますが、色相の差が一番大きいので、この色同士が対比としては最も強く、ある色を強調したい時にこの関係を利用して創意工夫します。

〇暖色と寒色

色彩はその感じから、温かみのある暖色、冷たい感じのする寒色、そして、その中間の中間色に分けられます。

暖色は進出、膨張、寒色は後退、収縮の性質があり、この性質を利用して、表現の効果を高めます。

〇対比の効果

<色相の対比>

改めて、12色環を見てみると、暖色と寒色の関係は補色か、もしくは、それに近い事が分かります。対比としては最大限に強い訳です。この2色を並置すれば、当然、唐突な感じを免れません。それを防ぐための中間的な色の使用を工夫する必要があります。

<補色の対比>

補色の関係を対比として利用する事は、絵を描く場合に基礎となる問題だと思います。実際には純色としての補色関係ではなく、混合された色相同士に準拠して定められます。最強の対比なので、決め手となる色を活かすことに絞って、利用すべきです。そのためにも、画面の統一と変化を意図しながら、色を選ばなければなりません。

<色彩相互の影響>

以下の4枚のオレンジは全て同じ明度と彩度ですが、周りを明るい黄色にすると暗く見え、周りを暗い青にすると明るく見えます。彩度についても、周りを鮮やかな緑にするとくすんで見え、彩度の低い緑にすると鮮やかに見えます。このことをよく理解しておくと、画面の一部を強めたり、弱めたりするのに役立ちます。

また、白と黒の場合、白は近くに感じ、黒は遠くに感じます。

<彩度の対比>

色彩の鮮やかさの度合いを彩度といい、その度合いに応じて彩度が高い、彩度が低いと言います。ある色相の中で、最も彩度が高い色を純色といいます、逆に彩度が低いとグレーになる事は前述しましたが、彩度についても、色の寒暖のように、彩度の高い色は近くにある感じがします。

自然界を見てみると、遠くになるにつれて、寒色の度合いを増し、色彩はグレーっぽくなって、彩度が低くなります。これは、空気が対象と我々の目の間に有るからです。山の木々は緑でも、遠くの山は青く見えるのはこのためです。

 

着色された色が濁っていても、それを補う、鮮やかな色が加われば、お互いに活かしあって、画面に活気を作り出すことが出来ます。

また、一般に絵具を混合し過ぎて、色彩の性格を弱めてしまう場合が多いので、それを防ぐために、下地の色を工夫し、その上に色を重ね、彩度を保つ配慮も必要です。

 

<明度の対比>

 

 

 

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