世界遺産:白川郷:グリザイユ+グレーズ技法(P40)

前回は、世界遺産、白川郷をグリザイユ技法を用いて描きました。

今回は、その下絵の上に、グレーズ技法を使って、色を塗っていきます。

 

1.まずはじめに、前回の完成形(下絵)を見ましょう。

白、黒、グレーだけで、明暗を描き終えたところです。

 

右下の建物が茶色に見えると思いますが、

これは、併置加法混色のためです。

一見、茶色に見える色は、拡大してみると、

黒と橙の細かいパターンで、

実際には、混ざり合った色ではありません。

このように、細かく並んだ色点が、目の網膜上で混ざり合い、

肉眼では見分けることが出来なくなります。

 

キャンバスには、織り目がついていて、

凸凹になっています。

有色下地で、イエローオーカーを塗った上に、グレーや黒を塗ると

自然に塗りむらが出来て、併置加法混色になって、

茶色に見えるというわけです。

 

2.しばらく、鑑賞しながら、絵からどんなメッセージが来るか感じ取ります。

冬の夜景ということもあって、少しさみしい感じがします。

 

そこで、建物に明かりを灯すことにしました。

人が住んでいるのかな?、

ということで、暖かみや、安心感が増します。

 

3.主役と脇役を設定します。

主役は、右下の建物で、そのライバルとして、左上の建物群にしました。

暖色系の色を乗せていきます。

 

4.グレーズい入る前に、アクセントで紫の陰を塗ってみました。

 

5.グレーズとは、釉薬のことで、陶器の絵付けに使う、上薬として知られています。

同じ要領で、塗っていきますが、色を乗せれば乗せるほど、暗くなっていくので、

コバルトブルーに、パーマネントホワイトを混ぜて、明るいブルーを作り、

テスト的に、色を乗せていきます。

 

6.コバルトブルーディープでグレーズします。

オイルに、絵具を溶かしますが、オイルを多めに入れて、

薄塗りを繰り返します。

 

7.雪をパーマネントホワイトで塗りつつ、

紫に混ぜて、明るい壁の色を塗っていきます。

屋根にもライトアップで、薄く色づけします。

 

 

8.黒を入れます。

グリザイユでは、7段階のグレーを使いましたが、

ここで、更に、暗くした方が良さそうだと感じたので、

グレー7を黒に置き換えます。

はじめから、黒でも良かったのですが、後からの修正余地として、

残しておきました。

やはり、黒を入れると、ぐっと、締まりますね。

 

9.更に、コバルトブルーでグレーズします。

白、黒、青、黄は、配色のバランスが良いですね。

また、別の絵画でも、使ってみたいと思いました。

 

 

10.暗くなりすぎたときは、明るい色を塗って修正します。

右下の建物の周辺をすこし、明るくしました。

 

11.明るくなった上で、再度、グレーズします。

右下の建物の前に映えている、樹木に暗い緑を塗ります。

これは、イエローオーカーとウルトラマリンを混ぜて作った、

通称:ワカメグリーンになります。

混色の割合で、明るくしたり、暗くしたり出来ます。

夜なので、ウルトラマリンを多めに入れて暗くしています。

 

12.気になるところを、全て、修正出来れば完成です。

 

OKサインを入れます。

(OKでました。)

 

解説動画はこちらになります。

 

本日はここまでです。

 

作品は、秋(2025 11/9 ~ 11/16)の公募展に出品予定です。

場所は東京都美術館です。

是非、見に来てくださいね。

さようなら。

 

 

 

 

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